最近は当たり前のようにデジタルカメラでも動画撮影機能も付いているわけですが。
しかし、30分未満(29分59秒)しか撮影(録画)できないものがほとんど。
これは写真撮影向けのデジタルカメラと、動画撮影向けのデジカメビデオカメラを別けるためにそうしているのかと思っていたのですが・・・
どうやら業界内には動画の連続録画可能時間でカメラの分類を別けるルールは存在しないらしい。
ではなぜ 30 分制限が存在するのか?
それには EU(欧州連合)が大きく関わっていました。
EU ではデジタルカメラとデジカメビデオカメラは別けて扱われており、下記3点の条件全てを満たした物がデジカメビデオカメラに分類されるそうな。
- フレームレート 23fps 以上
- 解像度 800px × 600px 以上
- 連続録画可能時間 30 分以上
つまりこれらを1つでも満たさない物はデジタルカメラという扱いになります。
デジタルビデオカメラにはさらに細かい分類があるようですが今回は省きます。
ではこれらの分類によって生じるものは何か?
それは”関税”です。
関税とは、国境など特定の地域をに通過する物品に対して課される税金。
EU ではデジタルビデオカメラに対してこの”関税”がかかるのです。
ちなみにデジタルカメラには関税がかかりません。
つまり、写真撮影を主目的とした商品(デジタルカメラ)で動画の撮影時間を30分以上にしていまうと、わざわざ払う必要のない関税が発生してしまうわけです。
そのため、写真撮影を主目的として売り出される商品のほとんどが 30 分以上動画を撮影することができなかったわけです。
しかし、貿易自由化による日本と EU 間の経済的発展を目的とした「日EU経済連携協定(日欧 EPA)」が 2 月 1 日に発効されました。
これにより一部の関税が撤廃されるのですが、その撤廃項目の中にデジタルビデオカメラが含まれています。
そのため、今後は一眼レフカメラで 30 分以上の動画撮影ができても関税がかかることはなく、あらゆるメーカーが 30 分制限を外すのではないかと期待されています。
その先駆けとして Sony が新商品の「α6400」にて 30 分制限を外しています。
今月の 28 日からは大型のカメラ関連イベント「CP+ 2019」の開催が予定されており、今回の件で各社がどの様な製品を出してくるのか注目されています。
ふと思ったのですが・・・
この 30 分制限ってファームウェア更新とかで修正できないんでしょうか?
制限自体はプログラム側での制御でしょうし。
そもそも EU 向けに出荷するものにだけ 30 分制限をかけるとかすればよかったのではないかなんて思ったり。(その分作業は増えますが)
やっぱり”大人の事情”的なものがあるんですかね。
引用元:デジカメの録画時間30分制限、解除おめでとう | ギズモード・ジャパン
:日EU経済連携協定(EPA) | 外務省